額 〈風邪馬〉
俺が風邪で寝込んだのは、二人揃ってのオフの日の朝。 一晩中、岩城さんを求めて、感じさせて、わななかせて……抱き合ったまま、明け方うとうとしていたら、岩城さんが突然、 「お前、熱があるんじゃないのか?」 って言ったんだ。 熱? そういえば関節が痛い。身体もだるい。やりすぎちゃったのかなって思ってたんだけど……。 えっ、それってまずいよ〜。今日は岩城さんもオフなのに〜、あんなこともこんなこともしようと思ってたのに〜って、涙目で言ったら、怒られた。 「まったくお前は。昨日あんなに激しかったのに、今日も俺を離さないつもりだったんだな。オフなんてまたある。元気になったらいくらでも相手をしてやるから……今日は寝てろ、なっ」 岩城さんは、寝乱れた自分のベッドから俺を移し、パジャマを着せて、薬を飲ませてくれた。つくってくれた氷枕が冷たくて気持ちいい。 午後、岩城さんは寝室で本を読みながら、ずっとそばにいてくれたんだ。何度も何度も、岩城さんの手が俺の髪をかき上げ、唇が額に押し当てられるのを感じたよ。何度めか、額に唇を感じて、ふと目覚めると目の前に笑顔があった。 「熱、だいぶ下がったぞ。もう大丈夫そうだな」 「キスは唇がいいな〜」 って腕を伸ばしたら、ゲンコツでこづかれた。 「キスじゃない。熱を測ってたんだ。せっかく下がったんだ。今日はおとなしくしてろ、いいな」 え〜、ディープキスのほうが俺にはよっぽど効くのに〜。でも、元気になったらいくらでも相手してくれるって約束してくれたもんね〜。えへへへ。明日はもう風邪治ってるだろうし、岩城さんは……夕方には身体が空くんじゃん!? ヒヒヒ〜〜ン。明日が楽しみ……。 再び香藤が寝入ったのを見はからって、「見抜かれてたな」と岩城はつぶやく。 額の唇は熱を測っていたというのは、半分ホント、半分ウソ。寝顔を見ていると抱きしめたくなる。キスせずにはいられない。でも唇にキスすると、きっと我慢できなくなる。だから熱を測ることにかこつけて、早く熱が下がってほしいという願いを込めながら、額に何度も唇を寄せたのだ。香藤にほんとのことをいわなかったのは照れ隠しだけではない。調子に乗せてしまうと無理をしかねないから。 再び髪をかき上げて額に唇を寄せると、香藤がムニャムニャと寝言を口走った。 「……おとなしく寝てるよ、だから……」 香藤の顔をのぞき込みながら、 「そうだ、香藤。今日はゆっくり寝てろ」 と、ささやく。 明日の夜は暴れ馬のように岩城を抱くのだと、香藤が夢の中で固く決意していることも知らず、愛しい人の寝顔にときおり唇を落としながら、静かなオフを過ごす岩城であった。 2004.4.21 ゆみ |
★額にキス・・・あぅ、岩城さん・・・・素敵v
香藤くん幸せだなあ〜v
唇にしたら我慢出来なくなる・・・・なんて・・・きゃあ、岩城さん!
(落ち着け!)
暴れ馬のように・・・という所が最高ですv 香藤くん・・・・(^^;)
お題クリアーお疲れ様でした、ゆみさんv