君さえいれば



「ふぅ・・」

今日は二人一緒にオフとれるかなって思ってたんだけどなぁ。

やっぱりそんなに上手くいかないか・・。



6月のカレンダーにつけられた大きな丸印。

毎朝家を出る前に岩城さんがコレを見て苦笑してたのを知ってるよ。



「あ〜あ、何も俺の誕生日の日まで仕事にならなくてもいいのになあ。」

でも・・まあ最初はオフにしてくれてたんだし・・。

最近の岩城さんは前にも増して俺に甘いような気がする。

だからつい、昨日の清水さんからの電話に声をかけてしまった。

『仕事優先にしてよ。俺はいつでも岩城さんの傍にいるんだしさ』

困惑した顔の岩城さんに笑顔で答えて見せた。



そうさ、わかってる。仕事に行けと言ったのは俺なんだ。



俺だっていつまでも子供じゃないし、それぐらいの分別はあるつもりだ。

わかってる。わかってるけど・・・。

このもやもやした気持ちはなんなんだ!!

「・・・らしくないなぁ。」

せめて、岩城さんが戻ってくるまでに何か作っておこうか?

今頃まだ仕事だろうな・・。





「あ・・清水さん?忙しいときにすみません。岩城さん何時ごろ終わりそうかな?」

「え?岩城さんならご自分の車で先ほど帰られましたよ。

今日は“大切な日”だからって・・」

「!!!」

「あの・・すみません。今日は香藤さんの誕生日だったのに・・。

でも岩城さん、“香藤が待ってるから”って休憩もとらずに頑張られて、

予定よりも早く終わったんです・・・・もしもし?聞いてます???」





岩城さんが帰ってくる!それも“大切な日”だって!!

ああダメだ。顔のニヤケが止まらないや!

なんてことだ。俺は・・俺ってやつは・・。

自分でも笑っちゃうくらいこうも単純に出来てるなんて。





ケイタイに入っていた短いメール。

(食事に行かないか?)



うきゃあ〜!一緒に外で食事だなんてっ!

もうもう、ベットまでずっとフルコースで付き合っちゃう!



車のエンジン音が家の前で止まった。



逸る気持ちを抑えながら扉を開けると

そこにははにかみながら微笑む岩城さんがいた。

「ただいま・・香藤。誕生日おめでとう・・」



あぁ・・岩城さん!俺の岩城さんっ!!

その極上の微笑みが俺には最高のプレゼントさ!



2004・5・31 ゆめつき





そうそう、岩城さんがいればそれだけで幸せ!って感じですよね
岩城さんが好き!!!その思いが溢れていて素敵です〜☆
岩城さんにとっても大切な日・・・v
この夜はきっともう甘えまくって岩城さんを思いっきり味わったことでしょう
幸せだね・・・香藤くんv
ゆめつきさん、幸せいっぱいのお話ありがとうございます