Perfume


撮影が長引いて結局帰りは朝になってしまった。
今日は久しぶりに二人ともオフの予定だ
「せっかくだからどっかドライブに出かけようよ、ね!岩城さん」
そう言ってはしゃいでいた香籐の笑顔を思い出して、
「まあ少し仮眠を取ってからなら大丈夫か」と呟きながら玄関のドアを開ける。
「ただいま」
「・・・・・?」
返事がない。
「確かきのうは午後からオフって言ってたよな?」
香籐のことだから、準備万端整えて早起きして待っているだろうと
思っていたのだが・・・。
寝室へ入ると香籐が洋服のまま眠っていた。
ベッドサイドにメモが置いてある。
手にとって読んでみると
「岩城さん、ごめん!急に仕事が入って朝までかかっちゃったんだよ〜
 少しだけ寝かせて、9時になったら起こしてね。絶対だよ!」
香籐もちょっと前に帰ってきたらしい。
目覚ましが9時にセットされている・・・。
「起こさないかもしれないと思ったのか?・・・ホントにお前は」
香籐のベッドに腰を下ろし、寝顔を眺める。
自分の髪とは全く違う、明るくやわらかなクセのある髪を俺は羨ましいと思う。
香籐の性格を象徴しているかのようだ。
手を伸ばしそっと髪を撫でる、起こしてしまわないようにそっと・・・。
愛しい・・・。
お前と出会ってから、俺はずいぶん変わった。
他人に無関心で、いつもどこか冷めた目をしていた俺はもういない。
お前の情熱でドロドロに解かされて、自分で言うのもおかしいが
以前よりはずいぶん素直に・・・なったと思う。
「い、いわき・さ・・ん・・・むにゃ」
寝言に俺の名前を呼ぶお前・・・。
思わず「くすっ」と笑ってしまった。
・・・心が満たされていくのを感じる。
「香籐・・・愛してる」
そっと香籐の唇に触れるか触れないかのキスをする。
顔を近づけた時にふっとGIGOLOの香りがした・・・
その瞬間、身体が熱くなるのを感じて、俺は部屋を出ようとドアの方を向いた
が、ぐいっと腕を引かれてベッドに倒れてしまった。
「え?」
顔を上げると、香籐が俺をその腕に捉えて微笑んでいる。
「俺も愛してるよ、岩城さん」
「な・お前起きていたのかっ!」
俺は自分の顔が赤くなるのを感じつつ香籐に問う
「うん!だって岩城さんのいい匂いがして、いつもみたいに髪を触るんだもん、
 寝てなんかいられないよ〜」
ぎゅっと香籐が俺を抱き締める。
「あっ!」
首筋にキスされて、思わず声をあげてしまう。
力が抜けたその瞬間、香籐は俺をベッドに押し倒した。
「こ・こらっ!か・・・ああっ!」
「挑発したのは岩城さんだよ、食べさせて・・・ね、美味しい岩城さんを」
香籐が俺を裸にしていく、心も身体もすべて・・・。
GIGOLOの香りが、香籐の匂いが、惜しみなく注がれる愛が、
俺を捉えて離さない・・・なんて甘美な束縛なのだろう。
「は・・・あっ!も、もっと、かと・・・」
「もっと?・・・くっ!あげる、・・よ、いくらでも!!!」
「あああ・・・!」


・・・結局その日は一日ベッドの上で過ごすことに。
次の日の朝、俺はだるい腰を香籐にマッサージしてもらって
やっとの思いで仕事をこなした。


らむママ





GIGOLOの香りに囚われていくおふたり・・・・
ぽわわわん〜ですv
眠っている香藤くんを描写していく岩城さんの想いが
優しくて、心がほんわかと温かくなります
結局香藤くんの腕の中に落ちちゃう岩城さん・・・・らぶv

らむママさん、素敵なお話ありがとうございます