『ありえないもの』


車を降り立つと風が頬を刺す

玄関に灯りがともっているのに気づき、知らず口元に笑みが浮かぶ

足早に歩を進めると白いものがはらはらと目の前をかすめた

(…?雪か。どうりで冷えるはずだな。)

手のひらをかざすと次々と触れては消えていく

あきもせずどれくらいそれを眺めていたのだろう

(手のひらに溶けない雪…か。)

玄関の扉を開けると奥からパタパタと駆け寄る足音がする

「おかえり〜岩城さん!寒かったでしょ?」

「ああ、ただいま香藤。雪が降ってきたぞ。」




手のひらに溶けない雪

   君のいない僕

   ---そして、ありえないもの


2004・3 ゆうか



★読み終わった後何とも言えない余韻が残りますねv
とっても優しい空間を感じますvvv
岩城さんにとってどれだけ香藤が大切な存在なのか
あらためて考えさせられます・・・・・v
ゆうかさん ありがとうございますv