トーク・トーク・トーク ーああ、そうそう、太一、結構、お前嫉妬深かったよなぁ・・・・ ーそんなんじゃねー ーあっ、っていうかさ、経験値、低いもんね、君は!偉かったよなぁ・・ちゃんと1年んとき付き合った彼女とさぁ、ずっと高校卒業するまで付き合ったんだもんなぁ ーなにがそれが悪りぃんだよっ!!修!! ーお前、嫉妬しすぎ!!あんだけ言われりゃ、彼女もうざいって 「結局、ふられたんだったっけ?」 ー洋二、人の傷を覚えてんなよ!どうせっ!!お前は嫉妬っ!なんて、無縁の代物だったろうさっ! ーあっそうね、彼、結構もてたしねぇ・・・嫉妬はされてたかもね・・・って言うかさ、洋二、結構クールだったしね・・・可哀想だよなぁ・・・彼女達の青春!! 「・・・・・・・・」 ー・・・・嫉妬しない性格って、楽? 「・・・・・それが、するんだなぁ・・・」 ーえっ!!する!?嫉妬、するの?お前がっ??今?誰に? ー太一、お前さぁ、誰にって・・・・でもマジでっ?お前が?嫉妬しちゃうっての? 「・・・・・呆れるくらいするぜ?岩城さんがちょっと男と楽しそうに話してるだけ、でもさ」 ーどんくらい? 「・・・吐くくらい」 ーありえねぇー!! 「そっ・・・ありえねぇ・・・・」 ー・・・・・普通じゃん・・・それが・・・まっ・・吐かねぇけど、普通・・・ ーおっ!!太一が恋愛定義を口にしています!! ーちゃかすなって・・・・俺、今日、洋二に訊きたいことあったんじゃん ー何?太一ってばさ、こいつに訊くなんてさ、岩城さんのことくらいが関の山っ!! ー修、うるせえ 「太一、お前、もう飲むのやめろ!そんな強かねぇんだから」 ー・・・・なあ・・洋二・・・・・ 「何?」 ーお前さぁ・・・・・、岩城さんのどこ好き? ーだぁからぁ!!あほか!!お前!!今、言ったばっかじゃん、俺。訊くなっって!!そんなぁ判りきったこと!!どうせ、全部!!とかって言うに決まってんだからっ!! ーもう・・・修、うるせえよ!! 「・・・・全部」 ー・・・・プッ!! ーそうだろうけどさ・・・・あれじゃん・・・岩城さん・・男じゃん・・ 「・・・・当たり前」 ーでさ・・・その・・・最初さぁ・・・抵抗とかってなかったわけ・・?男のさ・・・ほら・・・ ーおっ・・・洋二が睨んでます!!太一、言葉選ばないと、殺されるよ ーいや・・違うって・・別に・・興味だけで訊いてんじゃねぇんだけどさ・・・俺・・・お前、どうだったのかなぁ・・・って・・・お前だって、男、初めてだったんだろ? 「・・・・まあそうだよな・・」 ー岩城さんも・・・? 「・・・・ああ」 ーお前が最初に好きになったの? 「そう」 ーお前・・・男、好きになったこと、あったの?・・・好き・・って言うか・・・いいな、とか・・ 「ないけど」 ーそっか・・・で・・・岩城さんもお前を好きになったのって・・・セックスの前?後? 「・・・・・太一・・・お前さぁ・・一寸マジっぽくて答えづらいんだけど・・・なんな訳?この妙なリアル展開は?」 ーそうそう・・お前、本でも出すのかよ ー・・・違うって・・・ちょっとさ・・・知りてぇんだよっ!!・・・いいじゃん・・・ 「ふぅ・・・ん・・・誰か好きな奴いて、それが男、とか?」 ーえっ・・・? ー何っ!!それ、太一、うっそ・・・マジ? ーいや・・そうじゃないって・・・ 「ふ〜ん・・・、じゃ、男に好かれてる、とか?」 ー・・・・・・・ 「そうなんだ・・・」 ー・・・・・・・・ ーうっそ・・・誰?誰? ー・・・・・・・・ 「まっ・・・誰でもいいけどさ・・・で、何?何が知りたいわけ?」 ー・・・・・いや・・どうなんだろう・・・ってさ・・・好きなのかどうかってさ・・・相手が男じゃよく判んねぇじゃん・・・いくら好きって言われたってさ・・・いい奴って思ってて・・・いくらいい奴って思ってても、恋愛じゃねぇだろ? って・・・・・でもさ・・・微みょーにキスくれえならできっかも・・・ってさ・・・思ったりもするわけ・・・でも、じゃぁそいつとセックスできるかって考えたら・・・よく判んねぇ・・・・・・・・・そんなじゃさ・・・どうよ、相手にさ・・・服脱いで、やっぱダメって言えねぇよなぁ・・・ 「・・・・・俺さ、岩城さんのこと、最初、いい奴、とも思ってなかったぜ」 ーえっ・・・?そうなんだ 「・・・むしろ嫌いだった・・・かな?」 ーうそ・・・じゃ、岩城さんは?お前のこと 「嫌いだった・・・と思う」 ーそれでどーやって・・・ 「ああ・・・まぁ・・・結局、互いに知らなかったっていうか・・・・・・仕事以外では」 ー・・・そうなんだ・・・仕事での印象、悪かったんだ 「・・・なに、それ」 ーお前、小生意気全開だったろうしな・・クックッ・・・ 「ほっとけ!!・・・っていうか・・・まあ・・・・そうかもな・・・」 ーそんなでさ何処で好きって考え変ったわけ?男、好きなわけねえってさ、お前、思わなかった? 今まで女、だったわけじゃん、それがさ、恋愛、とかって・・・ましてやセックスなんかさ・・・ ー太一、ちょっと落ち着け!!お前、すげー勢い入ってるしっ!! 「・・・・まぁ・・・俺とお前の場合じゃ、多分状況が違うけどな・・・・、俺の場合、初めて岩城さん抱いたとき、仕事も平行してたからな、岩城さんと恋人、っていう設定のさ・・・・だから、多分お前より免疫みたいなのもあったし・・・・実際・・・・全然、嫌じゃなかった・・・」 ーそれって・・・岩城さんも・・・か? 「う・・ん・・・そんときは確信ねぇけど・・・でも・・・初めて抱いたとき・・・拒まなかった」 ー・・・・お前が抱いたんだ・・・ 「うん、そう」 ーそ・・・っか・・・ ーでもさ、どうしてそんな相手、抱こうって気になったわけ? 「ああ・・・それは・・・まあ何ていうか・・・リハ感覚っていうかさ・・・半分冗談、半分本気、みたいな・・・・」 ー勃った? 「太一さぁ・・・おまえ、もちょっとデリカシーのある訊き方できねぇ?」 ーうぅ・・・・でも・・・やっぱさ・・・勃った? ー俺も!すげー知りてぇ、そこんとこ・・・あっ!!いや、俺のは単なる興味だけ!!だけどな!! 「・・・・・何でお前らに、こんなこと教えなきゃいけねぇのか、って思うけどなっ!! ・・・まぁ・・・太一、ちょっとマジ入ってるし・・・太一だけっ!!のために、答えてやるよ!!」 ー・・・うん・・・ ーうん、うん、太一のために答えてやって!! 「・・・・お前ら俺のやってた仕事、忘れてねぇ?相手選んでられねぇって、さぁ」 ー・・・ああ・・・そっか・・・ ーああ・・・やっぱ、そこがポイントね 「・・・でも・・・正しく言えば違う・・・あんときは・・・無条件だった・・・・・」 ー無条件・・・・? 「・・何も必要なかった、っていうか・・・普通に・・・まぁ・・太一流に言えば・・・勃った?」 ー素人さんになっちゃったわけね・・・ ー・・・・いつ自分が好きってのに、変ったと思う? 「・・・・いつかぁ・・・そうだなぁ・・・多分・・・俺はあんとき・・・もう自分で知らずに好きんなってたんじゃねぇかな・・岩城さんのこと・・・」 ーなんで・・・そう思うわけ? 「・・・その日から・・・何してても頭から離れなかった・・・四六時中考えてた・・・それってどう考えても恋じゃん」 ー嫌ってて、セックスしたら好きになるもん? 「違う・・・セックスしたからじゃねぇ・・・しなくっても俺は多分いずれ好きになってた・・・岩城さんのこと・・・それくらい・・・・」 ー・・・何? ー何よ?何? 「あの人の中に眠っていたものは・・・・・ある意味、新鮮で・・・強烈だった・・・」 「だめ・・・もっとちゃんとこっち向いて、岩城さん」 「・・・・香藤・・・もう・・・」 「だめ・・・まだダメッ・・・」 「・・・・・・・」 「・・・ほら・・・ねっ・・」 「・・あっ・・」 「ちゃんとこっち見て答えてっ!!」 「そんな・・こと・・・・」 「そんなこと、じゃないよっ!なんで未婚に丸しちゃうのさっ!!既婚でしょっ、既婚!!岩城さんはっ!!」 「だからっ・・・あれは・・・ただの・・・」 「何?ただの何?」 「ただの・・・あぁっ・・・・」 「だめっ!!そんな可愛い顔してもっ!!」 「違うっ!!ただのっ・・・・アンケート・・・」 「ただのアンケートでも、ちゃんとした書類でもっ!!同じじゃんっ!!」 「・・・・時間がっ・・・・慌てて書いたからっ・・・つい・・・」 「ついっ??慌てて書いたらっ!つい忘れちゃうのっ!?俺と結婚してることっ!!」 「・・・はっぁ・・・・ん!!んんっ・・・・」 「忘れてっ・・・独身にっ・・・なっちゃうのっ?・・・ねぇってば!!」 「か・・・とうっ・・!!もっ・・・うっ・・・」 「だめっ!!まだっ!!・・・あげないッ!!」 「・・・あっあっ!!・・や・・・めっ・・・」 「俺とっ!!・・・結婚したじゃんっ!!・・・岩城さんはっ!!」 ー悩まなかった・・・? 「そりゃ悩むさ!!普通ありえねぇ感情が自分の中に現れて・・・・どうよって・・・ずっと自問自答してたさ・・・」 ーでも・・・やっぱ、俺は好きなんだ、って、答えを出したんだ・・・男の岩城さんを・・ 「・・・・答えを出した、って言うか・・・もう、俺、どうしようもなかったし・・・・あんとき仕事もおぼつかねぇくらい、もう・・・なんていうか・・頭ん中、岩城さんのことしか考えられねぇって・・・何ひとつ・・・1歩も前に進めねぇっていうか・・・・・」 ーああ・・洋二君、盛ってたわけね 「盛って!!・・・って・・・まぁ・・でも・・実際、そんな感じ?・・・ありえねぇーってくらいでさぁ、もう・・・岩城さんの傍に居るなんてのは当たり前で、それこそ電話で声、聞いただけでも抱きたいって・・・・高校生以下、それこそ」 ーああ、判る!!君、高校んときから凄かったもんね 「修!!お前に言われたかねぇよっ!!ばーか」 ーそれ、時間がたったら、そうでもなくなった?単に新鮮だっただけ、とか・・・ 「いっつも新鮮・・・」 ーばか・・・ ー・・・にわかに信じがたい・・かも・・・ 「いーんだよ、別に!!お前らに俺の性生活、理解してもらいたかねぇよ!!・・・まっでも・・・悩まないわけねーんだけどな・・・」 ーいつごろまで・・・?悩むわけ? 「・・・あんときはなぁ・・・・・抱き終わるたんびに、悩んでた・・・さすがに・・・」 ー・・・・自分の気持ちを悩んだわけ?普通じゃねぇから?相手が男だから?好きなのか、セックスしたいだけなのか、って 「いや・・違う・・・悩んだのはそこじゃなくて・・・この人はいったい俺をどう思ってるんだろう・・・好きで抱かれてるように見えても・・・実はそうじゃないんだろうか・・・とか・・・・いつかは好きになってもらえるんだろうか・・・とかさ・・・でも、悩んだって・・・まぁ、悩んで止めれてりゃ結局それだけ、ってことだろうし・・・・」 ーそれってさぁ・・・やっぱ、相手の気持ちが・・・嘘じゃねぇってさ・・・信じらんなきゃ・・・ ーああ・・まぁそうだわな、やっぱ違ったって言われてもなぁ・・・結構、重大ニュースじゃん、男選ぶってさ 「・・・まあ・・・太一が好かれてる相手がどんくらいの気持ちで言ってんのか判んねぇけど、俺、結構、強引だったからな・・・その辺りは、かなり自分の欲望に忠実だったって言うか・・・割と早い時点で、この人、って、もう決めちまってた・・・か、な・・・?自分の中で」 ー何処から来るわけ?そのお導きは 「何処からも来ねぇ・・・・ただ・・・自然に気持ちが固まる・・・自分にとっての幸せはこれだ、みたいな・・さ・・・」 ーお前は固まってさぁ・・・お前の幸せは相手を手に入れること、だろうけどさぁ・・・・んじゃぁ岩城さんの幸せはどうなのよ? 相手の幸せは考えないわけ? 「・・・・それも考えて、そう決めた」 ー・・・なんで?なんでそれが判んの?意思表示なしっ!!てときだろーよっ!! 「何度も抱いてりゃ、判んだよ、そんなこと、ただ気持ちいいだけで抱かれてんのか、好きな相手に抱かれてんのか・・・」 ーすげー自信・・・・ってーか、ちょい自己チュー 「そうじゃなくて!!・・・俺は・・・この人は絶対、心の中では俺を好きになり始めている、って・・・肌を合わせるたびに感じたからさ・・・・まぁ・・・口にしてもらうには・・・結構、時間かかったけど・・・」 ーそうなんだ・・・ ー何?強引に進めた割りになかなか落ちなかったって? 「・・・・気持ちの中では・・・・岩城さんはもう・・・判ってたんだと思う・・・ただ・・・それを口にすることで・・・・凄い責任を感じる人だから・・・」 ーああ、お堅いお人、だったのね? 「・・・堅いし・・・・まぁ・・・不器用?・・・だからこそ・・・口にしてくれたものは、何よりも・・・信頼できた・・・この人が好きだと口に出して言ってくれるなら・・・多分・・・」 ー・・・・・・? ー・・・・・・・? 「・・・・・多分・・・一生もんだろうな・・・って・・・」 「いいかげんなっ!!・・・・気持ちで結婚したんじゃないっ!!でしょ!!」 「・・・・あたり・・・まえだっ!!」 「だったらっ!!・・・・・なんで忘れちゃうかなぁ!!・・・・」 「・・・・忘れたんじゃ・・・・!あっ!・・・」 「忘れたんじゃんっ!!・・・一瞬っ!!・・・忘れちゃったんでしょっ!!」 「・・・か・・・とぅっ!!・・・どうしてっ!!・・・そんなにっ!!・・・それ・・・くらいのことでっ!!・・・おまえはっ・・・・!!」 「そんなこと言うっ?!・・・・・そんなこと言ってたらっ!!・・・・いつまでも指から先にすすまないよっ!!」 「・・・・おまえはっ・・・・何がそんなにっ・・・・!!不安・・・なんだっ!!・・・・・」 「・・・不安っ・・・?!何、それっ!!不安ってっ!!」 「・・・だ・・・からっ!!・・・・・俺がっ・・・・何をどう書こうがっ・・・・おまえと生涯を・・・・一緒に生きるっ・・・・そのことに・・・・疑いがっ・・・・ 少しでもおまえの心の中に疑いがっ・・・・生じるのかっ!?」 ー・・・自信ある? 「・・・なにが・・・?」 ーその・・・・歳とってもずっと・・・って・・・ 「ああ・・・・その辺はねぇ・・・きっと、ここでチラッと口にしても、あんまりピンとこねぇだろうけどさ・・・なんて言うか・・・もう、ありえねぇから・・・これ以外は・・・」 ー・・・その・・・岩城さんとさ・・・こうなってから・・・おまえ、女抱いてねぇわけ? 「・・・・・・・」 ー・・・・いや・・・ごめん・・・ 「・・・・・・まぁ・・・1人決めたら普通、他の奴とはセックスしねぇよな・・・」 ー太一、おまえ今、セックスのことしか頭ん中ねぇだろ?くっ!くっ! ー・・・そんなんじゃ・・・ねぇけど・・・ハァァァ・・・どっしよぉ・・・俺・・・ ーオッ!!太一、人生の岐路に立って頭、抱えてます!! ー・・・・・・・ 「・・・・そんな、切羽詰ってんだ」 ーうー・・・そうでも・・・あるような・・・ないような・・・ 「何?もうしっかり意思表示、されちゃってるわけ?」 ー・・・・・う・・・まぁ・・・ ー何なんだよ、お前、嫌って言ったらすっげー困るシチュエーション、なわけ? ー・・・・いや・・・そう言うわけじゃ・・・ ー何、じゃ、はっきり嫌って言やぁいいじゃん ー・・・・・・・・ 「・・・・好きかもしれないんだ、太一」 ーえっ!!そうなわけ? ー・・・・・・・・ 「・・・・あのな・・・太一・・・」 ー・・・・・? 「まあ・・・ケースバイケースなんだけどさ・・・俺、おまえが言ったいろんなこと、ひとつも考えなかったぜ・・・・?岩城さん、好きになったとき・・・」 ー・・・・・・・ 「・・・・普通に恋愛、してみれば?」 ーそんな・・・・簡単に言うなって・・・ 「違う・・・簡単じゃねぇけど、簡単なんだよ、人、好きんなるときってさ・・・・四の五の考える余裕もなくてさぁ・・・・・相手が男だろうが女だろうが・・・好きなもんは好き、なんだよ・・」 ー・・・・・ 「まっ・・・だけど俺・・・今日のお前、見て、思ったよ・・・岩城さんも、俺に言わなかっただけで・・・あんとき・・色々考えたんだろう・・・ってな・・・・・」 ー・・・・そう? 「うん・・・でも・・・なんていうかさ・・・岩城さんみたいな性格でも・・・人間、堪えられなくなる沸点がやってくるんだよ・・・絶対に・・・」 ーそう?そんなもん? 「そんなもん。絶対・・・向き合わされる時が来る、向き合って・・・答えを出すって時がさ・・・待ってる側から言わせてもらえばさ、いつまでも、人間、そんなあやふやな気持ち抱えて生きていけねぇって」 「もーっ!!卑怯者っ!!」 「・・・なっ・・にっ!?・・・はぁっ!あっ・・・かっ・・・・と・・・」 「入るよっ!!」 「あああっ!!・・・あっ・・・あっ!!」 「・・っ!!・・綺麗でっ・・さっ!・・・可愛くってさっ!・・・フッ・・・どう・・せっ!・・何っ言われ・・・たってっ・・・・!」 「・・んッあっ!ああっ!!かっとっ・・・!!あっあ!!・・・・あっ・・・!!」 「・・・・・・好きなもんはっ!!・・・んっ!んっ!・・好っ・・・きっ・・・!」 「ああっっあっ!!いっ・・・・・・・・」 「んっ・・・!!だめっ!だって・・・そんなにっ・・・あっ・・・っ!!」 「んぁっああっ・・・かっ・・っと・・・あぁあっ・・・・!!」 ーおい、太一、腰上げろ!!どんだけ話したって、おまえ、ダメだって ーうっせー・・・帰るってば、修!!手ぇ離せって 「あっ!!岩城さん、おかえり!!」 ーああっ!!すみません!!お邪魔してます!! ーこんばんわ!!お邪魔です!! 「こんばんわ。ちょっと早かったかな?帰るの?」 ーいえいえ、そんな・・・ 「いいんだよ!!もう夜中2時回ってんだからっ!!」 ーすみません!!遅くまで・・・ 「あっ・・いえ、気にせず続けてください。俺はちょっとシャワー浴びてきますから」 ーいえっ、ホント、もう帰るって言ってたとこ、なんで・・・ 「そうそう、こいつら、今帰るとこだったんだからさ、岩城さん」 「そんな、いいんですよ、気にせずいてください」 ーほらっ太一、ちゃんと歩け!! ーもう・・・るせぇ!!・・・すみません、岩城さん、すっかりくつろいじゃって・・・ ーそうそう・・・洋二、結構まめに作ってくれたんっすよ、ご馳走になりました!! 「なーに、今更お行儀よくなってんだよっ!!バーカ」 「あ、そうなんですか?それはよかったです。結構美味しかったでしょう?日頃も割とあれこれ手の混んだものを、俺にも作ってくれ・・・・・」 ー・・・・・・・・ ー・・・・・・・・ 「・・・・・・岩城・・・さん・・」 「・・・あっ・・・いえ・・・あ・・・そ・・・それじゃ・・・タクシーでも・・・」 ー・・・大丈夫っす、俺達、歩いて、出て拾いますから 「・・・あ・・そ・・そうですか・・・じゃ・・・俺はっ・・・ここで失礼します・・・またいらしてくださいっ」 ー・・・・岩城さん・・・気ぃ使ってもらっちゃって・・・・悪かったかな・・・ ー違うだろ、あれは・・・ 「早く帰れよっ!!おまえら」 ー冷てぇー・・・岩城さんと大違い!! ーじゃな、洋二、またな 「またはねーよ、当分な!!」 ーなに・・・?岩城さんが綺麗で可愛いって、判っちゃマズイって? ー・・・ああ・・・確かに・・・ちょっと綺麗で可愛いかも・・・ 「!!!っ・・・・じゃあなっ!!」 ーあっ・・・そんな追い出すなんてっ!! 「岩城さーん、もう大丈夫だよ、あいつら、帰ったから」 「・・・そんな・・・・別に俺はよかったのに・・・」 「いいの、いいの。お風呂入るんでしょ、一緒入ろ!!」 「・・・・もう今日はしないからな!!」 「ぶぶっ!!やだなぁ・・そんな事言っちゃうと、逆効果だよ!!」 「勝手に考えるな!!」 「イテッ・・・・・もう照れちゃってさぁ・・・」 「ほら、入るぞ、風呂」 「うん・・・・・・・ねえ、岩城さん」 「んっ?」 「岩城さんってさぁ・・・いつ、男の俺を好きって思った?」 「はっ?」 「だ・か・ら・さぁ・・・どの辺りで俺のこと好きかもって、思ったりしたの?」 「・・・忘れた」 「ええっ!!そんなぁ・・・わけないよね」 「そんな昔のこと・・・思い出せるか!!」 「思い出してっ!!」 「あっこら!!どけっ!!乗るなっ!!重いっ!!お前っ!!酔っ払ってるのかっ!!」 「だめ!!思い出すまで、どかないっ!!」 「なんだってお前はいつもそうやって、子供みたいなことをするんだっ!!」 「そんなこと、いいのっ!早く、思い出してって!!」 「だからっ!!そんな昔のことっ!」 「・・・昨日は未婚で、今日は忘れられて・・・・ちょっと傷つくよっ!!俺!!」 「・・・・・・・・・」 「思い出してきた?」 「・・・・だから・・・・多分・・・・あれだ」 「あれ?何?いつ?」 「・・・・・いや・・・いつか、なんてはっきりしないが・・・あれだな、あの時・・・・どうしてかって思ったのは・・・覚えてる」 「なにぃ???あれとかそれとかさぁ・・・」 「だからっ!!・・・・佐和さんの家に呼ばれたとき・・・・」 「・・・?・・・ああ、佐和さん乱交経験してみたいモードのとき?」 「・・・・ばか・・・・」 「それで、それで?」 「・・・・・お前が玄関で靴の紐を結んでいたとき、俺は・・・外で待っていて・・・その間・・・考えてた・・・・」 「・・何を・・・?」 「どうして・・・男のお前とセックス・・・出来るんだろう・・・どうして俺はお前を拒まないんだろう・・・って・・・な」 「・・・・・・・・」 「俺は多分・・・・まだ・・・・・・ただセックスをするだけだ、と、それだけの相手だって・・・お前を思いたかった・・・・勇気がなかったんだな・・・結局・・・自分の中を見る・・・」 「・・・・うん・・・」 「・・・・どう考えたって、お前の好き、は、軽そうだったしな」 「ひどっ!!」 「好きになったら苦労しそうだったしな」 「酷すぎっ!!こんなに幸せにしてるのにっ!!」 「くすっ・・・ほんと・・そうだな・・・」 「・・・でも・・結構早い時期に考えてくれてたんだ・・・俺とのこと・・・なんか、嬉しい!!」 「当たり前だろ!!何も考えずに・・・男とセックス出来るかっ!!」 「で、さ、どうしてだろうって考えてさ、好きだからだ、って、段々思ってきたんだ」 「まあ・・・思わされた・・・って言うか・・・抵抗出来なかったって言うか・・・」 「もぉ〜素直じゃないんだからっ!!」 「いや・・・抵抗出来なかったのは・・・自分の中で成長していくお前を想う気持ちに、だけどな・・・・所詮・・・俺も我慢の利かない人間、ってことだ・・・」 「・・・・・・・・」 「そういった意味では・・・結構、早い段階でお前のことを好きになってた、のかもしれないな・・・・お前がどんどん俺の人生に侵入してくる感じだった・・・それが、結局あまり、不快じゃなかった、ってうか・・・それどころか・・・・まぁ・・・嬉しかった、っていうか・・・・」 「・・・・・・・・」 「??んっ?どうした?・・・・ほら、そろそろ降りろ、重いだろ」 「んーっ!!もー!!好きっ!!大好きっ!!岩城さん!!」 「わわっ!!止めろ!!こらっ!!こんなとこで!!香藤っ!!あっ!!しないっ・・・て!!言っただろう!!今日はっ!!」 「しないって言うなら、もっと、ちゃんと!!ガード張ってくんなきゃ!!」 「・・っつ!!な・・にっ!!言ってるんだっ!!俺はちゃんと・・んんっ・・!!」 「だいたいねっ!!いっつもっ!そんな顔してっ!!そんなこと言ってるんだからっ!!スイッチ入れてるのはっ!!岩城さんの方なんだからねっ!!」 「・・・っ!!止め・・・ろっ!!香藤!!」 「自分がねっ!どれだけ甘いこと言ってるか!!自覚してくんなきゃっ!俺っ!!生殺しだよっ!」 「香藤っ!!」 「ダメっ!!」 「じゃ、俺、ここでタクシー乗るわ、お前は?太一、一緒乗ってく?」 「う・・・ん・・・俺、一寸歩くわ」 「あっそう。煮詰まって車にはねられんなよ!!じゃな」 「・・・・・人事だと思ってるなぁ・・・あいつ・・・・・・あっ、もしもし、勇さん?俺、太一」 『・・・・ああ、どうしました?』 「・・・うーん・・・今からそっち行っていい?」 『そっち??そっちって、私の家?ですか?』 「・・うん」 『だめ』 「えっ!!なんで?」 『とにかくダメです!!』 「えぇー!!いいじゃん!!なんで今日に限ってそんなこと言うんだよ」 『・・・・・』 「もしもし・・?」 『じゃ、いいですよ。だけど、言っときますけど、来たら襲いますよ』 「・・・・・・」 『ほら、だから来るなって言ってるんでしょ』 「・・・・じゃ、行くから」 『えっ!!ちょっと、どうしたの?判ってますか??私が言ってること』 「・・・・判ってるよ!!」 『・・・うそ・・・・』 「・・・・とにかく行くから・・」 『待って!!ちょっと待ちなさい。冗談で言ってるんじゃないですよ!!よく考えて!!』 「もーっ!!四の五のうるさいなぁ!!考えたって!!考えて行くって言ってんじゃんっ!何か文句あんのっ!!それとも前、俺に言ったこと嘘だったのかよっ!!」 『・・・!!嘘・・・じゃぁ・・ないですけど・・・』 「じゃ、いいじゃん!!俺が行くって言ってんだから、もっと嬉しがれよ!!」 『・・・・・・・』 「何!!まだ何かあんの?」 『・・・いや・・・・まあいいか・・』 「まあいいかって!!何それ?」 『・・・ま、来てもいいです・・・来てから話すことに・・・』 「話す?って・・・何を」 『・・・んっ?まあ・・・これからの2人の人生ってもの、ですか?』 2007・02 比類 真 |
日々、岩城さんは香藤くんのスイッチを押しまくっているようです(笑)
会話で語られる香藤くんと友人達の関係・・・そして香藤くんのi岩城さんへの気持ち・・・
(時々入る前日の岩城さんとのやり取りも興味深いですv何のアンケートでしょう 笑)
それにしてもこの”太一さん”と”勇さん”のこれからもちょっと気になりますね?(^.^)
比類さん 素敵なお話ありがとうございますv