もう、香藤は寝たんだな。
暗い玄関を入り、そっと階段を上る。

着替えようとクローゼットに向かうと、僅かに廊下に漏れる光
珍しいな、香藤が自分の部屋にいるなんて。
まさか、また何か自分ひとりで悩み事を抱えているんじゃないだろうな。

「香藤・・・?」
ノックをしても、返事がない。
そっとドアを開けて部屋を覗くと、明るい色の髪が、煌々とデスクライトに照らされていた。

なんだ、こんなところで寝て。
今の時分じゃ、風邪をひく。
肩を揺すって起こそうとすると、寝言なのか香藤の声がボソボソと聞こえてきた。

「・・・岩城ぁん・・・、美味しい?・・・よかった・・・」
また。どんな夢を見ているんだか。

途中で寝込んでしまうまで、一体、何をそんなに一生懸命やっていたのか。
机の上を見ると、書きかけのノート。

1月27日のスケジュール!!

仕事のスケジュールより密な当日のタイムテーブル。
そして、手料理を作るつもりなんだろう、材料と作り方のポイントが書かれていた。
途中から字は怪しくなっていて、最後は変な曲線になって、香藤の手元で切れていた。

何をするのにも、全力投球だな。

お前のその気持ちが、少しフライングでもらった、プレゼントだな。
今見ている夢の中で、俺はどんな顔をしてその料理を食べているんだろう。

もう少しだけ、その夢を見させてやるのもいいだろう。
毎日、こうしてお前の愛情をもらっているんだから。




'07.01.25.
みわ


寝言を言う香藤くん、可愛い可愛い(o^^o)
もう岩城さんも愛しくてたまらないでしょうね♪
練りに練られたスケジュールでたっぷりらぶな一日を過ごすのでしょうねv
みわさん、素敵な作品ありがとうございますv