1月26日 pm11:50
RRR・・・RRR・・・ 『プッ』
「あ、もしもし、岩城さん?」
「うん、おれ。今、どこ?話しても大丈夫?」
「あ、家?そうなの?ちょうどよかった。ご飯は?食べた?」
「ホントに?ちゃんと食べないとだめだよ。岩城さん、ほっとくとすぐに食べなくなるから心配だよ。」
「そりゃ分ってるけどさ・・ 明日は何時から仕事?」
「そっか、じゃあしばらく話しても平気?」
「よかった。なんかちょっとゆっくり話したかったんだ。」
「ははは、別になにもないよ。ホントに心配症なんだから。こっちも食事してホテルに戻ったところなんだ。」
「いや、そんな危険はないよ。ホントに心配いらないから。そっちこそどうなの?」
「そう?ならいいけど・・・ それより、変なのに言い寄られたりしてないよね?そっちのが俺、心配なんだよな。今、俺が日本にいないのみんな知ってるから・・・ いい?!絶対に隙を見せちゃだめだからね!もし、変なのがいたらちゃんと俺に知らせてね。」
「もう〜、いい加減に自覚してよ。別に岩城さんを信用してないんじゃなくて、ただ心配なの!そりゃ、今は日本にいないし、何ができるわけじゃないけど、あとで、対処できるし・・・それに岩城さん、俺に黙ってすぐにため込んじゃうからさ。」
「・・・うん、分かった。ホントに約束だよ?」
「うん。そうだね。 ねえ、日本は雪降ってる?こっちにいると今が冬なのを忘れちゃうんだよね。」
「そうなんだ。寒そうだね。でも、そういう季節の移り変わりを感じられるのって幸せだよね。」
「あ、何それ!?失礼だなー!」
「・・うん、なんかこういうトコにくるとね・・・日本に生まれた幸せを感じるよ。」
「俺もそう思うよ。 ――あ、岩城さん、12時になったよ!」
「・・もしかして忘れてるの?今日はお誕生日でしょ? お誕生日おめでとう。今年は一緒にいられないからさ、どうしても一番にお祝いが言いたかったんだ。」
「ふふ、俺がいないと誕生日まで忘れてるところが岩城さんらしいというか・・・その調子じゃ何の予定もなし?」
「っ!・・もう〜、相変わらず俺を喜ばすのうまいよね。マジ、照れるし・・・ ねえ岩城さん。」
「――生まれてきてくれてありがとう。俺を好きになってくれてありがとう。」
「・・いつも思ってるよ。だって岩城さんがいなかったら、俺きっとつまんない人生送ってたと思うもん。その他大勢のタレントのままだったと思うし、それ以前に役者にもなってなかったと思うし。普通のサラリーマンになってもやもやした人生送ってたかもしれないし、それこそ自分探しとか言って、バックパッカーにでもなってこの辺をウロウロしてたかもしれない。」
「―――絶対ないよ。岩城さんだけだよ。俺をこんなに熱くさせることができるのは・・・だって俺、昔は誰と付き合ってても、どんなに好きだと思ってても束縛とかしたことなかったし、されるのも嫌だった。そういう意味では俺もホントの恋はしてなかったのかも知れない。岩城さんと出会って初めてホントの恋を知ったんだ。 ・・・俺には岩城さんだけだよ。」
「岩城さん、よくそうやって俺をいい男だって言ってくれるけど、俺をこうしたのは岩城さんなんだからね。 岩城さんに負けたくない、岩城さんにふさわしくなりたい、岩城さんを守りたいって気持ちが今の俺の元なんだから・・・」
「うん!岩城さんをそうしたのは、間違いなく俺だよねv」
「へへへ、だって嬉しいもんvv ・・・ねえ岩城さん。これからもずっと二人で歩いていこうね。ずっと俺のそばにいてね?」
「・・・うん。うん、ありがと。ずっといるよ、岩城さんのそばに―――。」
「そうだね、そろそろ寝たほうがいいね。 ――おやすみ、岩城さん。」
「俺も・・・ 愛してるよ。」
「・・・・・・」
「―――電話、切ってよ。岩城さん。」
「岩城さんが切ったら俺も切るよ。」
「だってなんだか切りたくないんだもん。」
「くすくす、いつまでたっても電話切れないじゃん。 あっ♪じゃあさ、岩城さん。お誕生日記念のTELエッチしようか!?」
「・・あれ?!岩城さん?」
『ぶっ!!!』プ――、プ――、プ――・・・
「・・切られちゃった・・・」
HAPPY BIRTHDAY 岩城さん♪
Fin
ちょびち
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