もがり笛



「ラジオをお聞きのみなさん、お待ちかねですね〜。本日のゲストは、『冬の蝉』が公開間近の岩城京介さんです! 岩城さん、こんにちは〜」(歓声&拍手)
「こんにちは。岩城京介です」
「今日は外野がすごいなぁ。スタジオの外、岩城さんを一目見ようというスタッフが群がってます」
(スタッフの笑い声)

 *  *  *

「ファンのみなさん、お待たせしました。今日は、『冬の蝉』のPRに来てくださった岩城さんに、撮影秘話など伺わせていただきますよ。岩城さん、初めまして。どうぞよろしくお願いします」
「初めまして。よろしくお願いします」
「さて、岩城さん、携帯、持ってきていただいてますよね? このコーナーでは、おしゃべり録音中の20分間で携帯に入ってきた電話やメールについては、番組で公開させてもらうことになってますので、どうぞよろしくお願いしますねー」
「一応、持ってはきたんですが、たくさんメル友がいるわけではないので…。ご期待には添えないかもしれない……どうぞお手柔らかにお願いします」
「わかりました(笑)。早速ですが、来週ですね、『冬の蝉』の公開。私、一足早く、昨日、試写会に行って来ました〜。すごいよかったですよ!!」
「早速、観てくださったんですか? どうもありがとうございます。いかがでしたか?」
「すごいよかったです。私ね、あまり日本映画を観に行ったことがなくて。幕末の歴史にもあんまり詳しくないし、楽しめるかしらって、正直不安だったんですよ。でもね〜、すごいよかったです! 哀しくて哀しくて、ずっと涙が止まらなくて…。大泣きしました。一緒に行ったマネジャーに、“顔、ぼろぼろやん?”って言われて。そう言う彼女のほうがもっとぼろぼろになってました(笑)」
「どうもありがとう。すごくうれしい感想です。俺は原作の大ファンだったんですが、原作のすばらしいところを、美しい映像と音で描き出すことに成功したんじゃないかなと思ってます」
「思い出すと泣けてくる場面、たくさんあるんです。例えば、映画の終わりのほうで、岩城さん演じる秋月が、もがり笛を耳にして時の流れを実感するところとか。もがり笛って、真冬の強い風に吹き付けられた草木がピーッとか音を出して鳴ることなんだそうですね〜。身体の自由の利かなくなった秋月が、音によって四季や時の流れを実感していくじゃないですか。秋月のその一瞬の表情に、時の流れへの思いと共に無念さとか、草加への複雑な気持ちとかいろいろな感情を見た気がして……。胸が痛いんだけど、大好きなシーンです」
「ありがとうございます。うれしいです。そういう感想を持っていただけて、監督もすごく喜ぶんじゃないかな」
(岩城の携帯にメールが入る)
「あ、メールが入りましたね〜。どなたからでしょう?」
「…えっと、たぶん香藤からかな」
「まぁ! 期待通りの展開、ありがとうございます。ファンのみなさん、香藤さんのラブラブメッセージ、紹介させていただきますからね(笑)」
「ラブラブだなんて…帰宅時間の確認だけですよ」
「見せていただいていいですか?」
「えぇ、このくらいなら…」
「……いやぁ、これはこれは(笑)。聞き耳を立てているファンのみなさんに実況中継しますね〜。メッセージはとってもシンプルです。“いわきさん、今日は何時に帰れそう? 俺は8時くらい”。 でも、この短い文章にハート、入りまくりじゃないですか!? あれれ〜? 岩城さん、顔が真っ赤ですよ〜。まさかハートの数を突っ込まれるとは思ってらっしゃらなかったみたいです(笑)。さて、話を映画のほうに戻しましょう。映画の後半のシーンは、ほとんど香藤さんと二人きりでの撮影ですよね?」
「そうでしたね」
「役の上ではお互いがすごく複雑な気持ちを抱いているわけですが、ずっとご一緒で、撮影とプライベートの時間と、気持ちを切り替えるのは大変じゃなかったですか?」
「大変ではなかったです。香藤とは、お互いに役者であるというところを理解し合っているので。対立するシーンを撮影する時も、プライベートな気持ちを引きずることはまったくありませんでした」
「理解し合っているから、自然に切り替えができたということですか?」
「そうですね……というよりも、撮影が始まると、自然に役の中にトリップできたというか。思い出してみると、今回の撮影で、気持ちを切り替えようとは一度も思わなかったかもしれない……。それは香藤も同じだったんじゃないかと思います」
「へぇ、すごい話〜。香藤さんと言えば、香藤さんの草加もまた素晴らしかった
です。とっても心に残っているんですよね。今回の草加役で、香藤さんは“役者
として開眼した”と絶賛されてますね〜」
「どうもありがとうございます。クランク・インする前から、草加役に相当入れ込んでいましたから。公開前からこんなに高い評価をいただいて…。あいつも喜んでます」
「あの、岩城さん? 秋月をほめた時よりも、5倍くらいうれしそうに見えるんですけど(笑)」
「いやっ、そんなことは……」
「あれあれ。ラジオをお聞きのみなさん、岩城さんが、また赤くなっておられます(笑)」
(ここで再びメールが入る)
「またメールが入りましたね〜。あっ、また香藤さんですね〜。見せていただいてもいいですか? “いわきさん、超ラッキー。1月27日、スケジュール空けられたよ”。……あの〜、岩城さん? ハートの数、明らかに増えてますよね(笑)」

2006.1.11 ゆみ

香藤くんからのラブラブメッセージ!
きゃあ!こっちまでそのLOVEさに当てられますね!
スタジオの熱も上がりまくっているのでしょうねえv
ゆみさん、素敵なお話ありがとうございますv