秋の空



ねー岩城さん、紅葉がすっごい綺麗な場所を見つけたから、

今度時間が空いたら一緒に行こ?』

そう香藤が言い出したのは一昨日の夜のこと。

久しぶりのオフを家でのんびりと過ごしていた俺の携帯に、香藤からメールが届いた。

『岩城さん、今日はもう撮影が終わったから、一緒に紅葉を見に行こうよ?』



急なカーブが続く道路を香藤が滑らかなドライビングで走り抜ける。

窓を開けると心地よい風が入り込んでくる。

「気持ちいいね―」

「そうだな…天気もい いし紅葉もちょうど見頃だ」

「岩城さん、ここが一番綺麗なんだよ」

車1台なんとか停められるスペースしかない場所だが、見渡す限り鮮やかに色付いた景色が見られる場所だ。


「赤色…か」

「ん?赤色がどうかした?」

いつの間にかすぐ側に香藤の顔があった。

ほんの少し首を傾げて覗きこむ仕草が妙に可愛くて、まるで犬のように見える…。

「いや…赤色はお前のイメージだなと思って」

「なんで?」

「生命力とか、情熱…それから…」

「それから?」

「あ…愛情…とか」

「くす…岩城さんてばすっごい可愛い」

香藤の腕が背中に回される。

服ごしに感じるぬくもりが心まで伝わって…しあわせに眩暈がしそうだ…。

「香藤…愛してる」

「俺も、愛してるよ…岩城さん」

夕日を背に二人のシルエットが重なる…。

赤く染まった秋の空が二人を包み込んでゆく…。




らむママ



とっても優しくてやわらかい情景ですよねv
ふたりの穏やかな愛が伝わってくるようです
赤く染まった空はふたりの愛に当てられたのかも・・・v

らむママさん、素敵なお話ありがとうございますv